保育所訪問
子ども自身のよりよい発達のために
大沢 和子
1
1岡山市立岡南保育所
pp.64-65
発行日 1971年9月1日
Published Date 1971/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204216
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乳児の保育とは
小さい赤ちゃんをつれたお母さんが,だんだん働くことを願ってきています。私たちの所は現在,生後6か月より保育を始めています。ここへくるまでの赤ちゃんは,いろいろの保育を受けてきます。生後より入所までお母さんに育てられた人,おばあさんにはぐくまれた人,またお守さんに育てられた人,また誕生のときから昼夜の病院保育を受けた人というふうに。
新しく保育所に入った赤ちゃんは,私たちになれてくれるまでに時間がかかります。とくに一対一で育てられた子どもは,大勢の中に入ることに驚きを感じるのでしょうか。でも母親の温かみをしたうことは当たりまえのことと思います。私たちはこの赤ちゃんに早くなれてほしいと願います。現在,厚生省の基準により,この乳児6人を一人の保母(または看護婦)が保育に当たっていますが,1人1人の乳児に食べること,排泄のしつけ,清潔のしつけ,情緒の発達のためにいろいろの働きかけ,そしてこれらを系統的に考えようと記録の整理に保育者は一生懸命です。将来の基礎をつくる生活です。乳児6人に職員1人という国の基準は何とかならないものでしょうか。お母さんは,乳児の生活をよく知って深い愛情を忘れないでほしいと思います。育てるのは保育所というのでなく。
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