増刊号 上肢・手の機能と作業療法—子どもから大人まで
第2章 上肢・手の実用的機能向上—各手技・手法の考え方と具体的実践
1 —活動分析アプローチ:成人—中枢神経系疾患に対する具体的介入
山本 伸一
1,2
,
野上 雅史
1
Shin-ichi Yamamoto
1,2
,
Masashi Nogami
1
1山梨リハビリテーション病院
2日本作業療法士協会
pp.672-677
発行日 2017年7月20日
Published Date 2017/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200981
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活動分析アプローチとは?
活動分析アプローチとは,「環境・課題(対象)・文化の特性分析」を根幹とし,「解剖学・運動学・神経科学等の医学的分析,生態心理学等の種々の分析」に基づく介入である.感覚・知覚-認知の機能的背景を基盤にしたアプローチであり,個人・集団に対する「生活の質の向上(生活行為)」を目指す,「こころ」と「身体」のリハである.
活動分析アプローチは,「作業」を「活動」ととらえて作業療法を行うならば,重視しなければならない介入方法であろう.介入のあり方は,①環境・課題(対象)・文化,②感覚・知覚,認知(高次脳),③解剖学・運動学・神経科学等,④生態心理学・生物学等,それぞれの分析に基づいたアプローチ等である(図1).特に中枢神経系疾患に関しては,これらの側面が治療的介入の手がかりになる.また,①〜④の分析に基づいたアプローチは,単独ではなく並行して行うことが求められる.
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