今月の主題 臓器感染症と抗生物質の選択
中枢神経系感染症
中枢神経系感染症へのアプローチ
北川 泰久
1
1川崎市立川崎病院・神経内科
pp.1738-1745
発行日 1991年10月10日
Published Date 1991/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901091
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ポイント
1)アナムネーゼでは頭痛,発熱の推移,感染巣の有無,来院直前までの薬物治療の内容をよく聞き,神経学的所見としては髄膜刺激症状を丹念にみる.
2)髄液の塗抹は起因菌を最も早期に推定できる大切な検査である.
3)化学療法剤を投与する際,髄液への移行の程度を常に考える.
4)起因菌が決定するまでの抗生剤としては,CTXあるいはCTRXとABPCか,LMOXとABPCの組み合わせがよい.
5)菌が同定されたら,その菌に最も有効な薬剤を,化膿性髄膜炎の場合はCRPが陰性化するまで,結核性髄膜炎では約1年,真菌性髄膜炎では少なくとも6週間投与する.
6)単純ヘルペス脳炎を疑ったなら,できるだけ早期にacyclovirを投与する.
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