増刊号 上肢・手の機能と作業療法—子どもから大人まで
第1章 上肢・手の機能と作業療法
1 上肢・手の機能的役割
広田 真由美
1
Mayumi Hirota
1
1山梨リハビリテーション病院
pp.632-635
発行日 2017年7月20日
Published Date 2017/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200970
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はじめに
私たちの上肢・手の機能は,人間としての大きな特徴である二足直立歩行と言語・嚥下の機能と協応しながら進化し,その過程とともに解剖学的構造や神経生理学的機能を変化させてきた.そして視覚とともに外部環境の感覚情報を取り入れる窓口となり,他の動物には類をみないほどの精巧な器官,とりわけ把握機能と精緻活動を可能とする機能的特長(図1)をもつ器官へと発達している.
しかしながら何らかの疾病にてその機能を発揮できない状況に陥ると,多くの者は代償活動による上肢・手の使用を余儀なくされ,さまざまな活動に大きな支障を抱えることとなる.
そこで本稿では,上肢・手の基本的な機能的役割の理解から対象者の課題を明確化し,作業療法介入において重要となるポイントについて解説する.
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