連載 実践!まちづくり—青年療法士まちづくり塾の挑戦・第1回【新連載】
なぜ今,青年療法士まちづくり塾が必要か
石浜 実花
1,2
Mika Ishihama
1,2
1プライマリケア株式会社
2青年療法士まちづくり塾
pp.320-323
発行日 2017年4月15日
Published Date 2017/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200883
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生まれ育った地元だからこそ咲く花がある
私は,2011年(平成23年)4月に地元香川県で訪問看護ステーションを開設し,26歳で所長となった.
起業のきっかけは「平成17年介護サービス施設・事業所調査」に,香川県は老年人口10万人対の訪問看護訪問回数(介護保険)が全国最下位と報告されたことである.外出したがらずどんどん廃用症候群が進行してしまう祖母(図1)に訪問でのリハを勧めたが,当時は資源が少なく利用できなかった.それまで大阪で,あたり前にある訪問看護の仕事をしていた私であるが,地域によって資源の差があることに気がついた.在宅には,病気や障害を契機に自信を失い,ひきこもりがちになっている方が多く存在するが,できることや良い点を評価すると,表情も気持ちも明るくなり,日常生活自立度の維持・改善効果が期待できる.実際大阪での業務において,そういう場面を多く経験していた.しかし,そもそも地元香川には,そういった方への訪問看護やリハが普及していない.そこで訪問看護ステーションを開設し,少しでも廃用症候群の予防や自立支援に貢献できればと思い,起業しようと決意した.
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