Japanese
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特集 ロボットテクノロジーと作業療法
上肢切断者に対する筋電義手の実践—社会参加の獲得
Myoelectric prostheses for upper-limb amputees: support for social participation
柴田 八衣子
1
Yaeko Shibata
1
1兵庫県立リハビリテーション中央病院
pp.24-31
発行日 2017年1月15日
Published Date 2017/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200808
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Key Questions
Q1:筋電義手とは,どのようなロボットなのか?
Q2:筋電義手の日本における公的支給体制の現状,生活で活用している実際とは?
Q3:次世代型の筋電義手とは?
はじめに
日本において,ロボット工学を含めた医工学は,リハ医学の主要な領域で発展している分野である.ロボットとは,人の代わりに何らかの作業を自律的に行う装置,もしくは機械のことで,その定義はさまざまあるが,①情報を感知(センサー系),②判断(知能・制御系)し,③動作(駆動系)する,というこの3つの要素技術を有する知能化した機械システムである.
医療・福祉分野のロボットには,義足・義手・ロボットスーツ等の「装着型ロボット」,食事介助や排泄支援や入浴等を行う「生活支援ロボット」,歩行アシストカート等の移動を援助する「移動支援ロボット」,手術を行う「遠隔操作ロボット」等,多種多様なものがある.
欧米等の先進国では,能動義手はもちろん,上肢欠損者(児)に対する筋電電動義手(以下,筋電義手)の取り組みや研究・開発が積極的に進められており,国内でもその機運は高まり,特に筋電義手の公的給付制度は大きな変革期を迎えている.
今回,「装着型ロボット」である筋電義手に焦点を当て,“もの”である筋電義手を,“ひと”であるユーザーがどのように生活で活用しているかについて紹介する.
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