連載 続・歴史と遊ぶ・第6回【最終回】
リハビリテーションと医学・医療
江藤 文夫
1
Fumio Eto
1
1国立障害者リハビリテーションセンター
pp.1130-1136
発行日 2016年9月15日
Published Date 2016/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200726
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トービス教授との出会い
1980年1月の夕暮れ時,心細い思いでようやくバーミンガムの鉄道駅に着き,タクシーを拾ってアイザックス教授の教室があるセリー・オーク病院のヘイワード・ビルディングの玄関にたどり着いたとき,玄関で出迎えてくれたのはカリフォルニア大学アーヴァイン校(UCI)のトービス(Jerome S. Tobis, 1915-2012)教授だった.教授は前年夏からサバティカルで英国に滞在中であったが,私は転倒に関する研究のことで彼に手紙で相談して親切な返事を受け取ったことがあった.しかし,バーミンガムに行く予定については書かれていなかったので,本当に驚かされた.ご夫妻で滞在され,2月には帰国されたが,いろいろとご指導いただくことができた.奥様は,障害児の言語の専門家であった.
トービス教授は,ニューヨークの出身でエジンバラの医学校を経て,1943年にシカゴの医学校を卒業後,創設まもないPM & R(physical medicine and rehabilitation)の専門医資格を取得し,アルバート・アインシュタイン医科大学のリハ医学教授,モンテフィオレ病院のリハ部長として活躍した.ニューヨークでは1953年に小児の入院リハ部門を立ち上げ,また心臓リハを発展させたが,1970年にUCIにPM & R科を創設し教授として転任した.
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