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特別講座 わが国のリハビリテーションの歴史【新連載】
医学的リハビリテーション
History of medical rehabilitation in Japan.
江藤 文夫
1
Fumio Eto
1
1国立障害者リハビリテーションセンター
1National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities
キーワード:
更生
,
身体障害者福祉法
,
国家資格制度
Keyword:
更生
,
身体障害者福祉法
,
国家資格制度
pp.41-46
発行日 2014年1月10日
Published Date 2014/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110367
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はじめに
わが国の医療における「リハビリテーション」は,米国において,この言葉が医療のなかで使用され,第二次世界大戦中に脚光を浴びた時代の熱気が日本にも及ぼされた時にスタートしたといえる.しかし,明治の救貧対策の基本となった「恤救規則」と,その原型が提示された律令制度にさかのぼる意義は大である.わが国では,障害者の処遇と家族とをどのように考えてきたかとも関わる.また,わが国の医学的リハビリテーションの源流を探るうえで,呉秀三らの巣鴨病院での病院改革の取り組みで導入された作業療法や,田代義徳と,その指導を受けた高木憲次や体育教師の柏倉松蔵らの肢体不自由児らへの取り組みはきわめて重要であるが,同様の理由から米国からリハビリテーションの技術と概念が導入された戦後の医療を中心に考えたい1,2).
施設へ収容しての取り組みはわが国の基本で,つい最近まで,一般医療においても病院という収容施設に収容することが期待されてきた.また救貧について考えると,国際的に世界銀行が障害者問題に大きく関わるようになったのは,障害が貧困問題と密接だからでもある.とはいえ,紙面が許さないので戦後のリハビリテーションにおける医学的側面を中心に振りかえることとする.本稿で戦後という場合は,第二次世界大戦における敗戦後のことである.
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