Japanese
English
講座 末梢神経(5)
末梢神経障害のリハビリテーション
Rehabilitation of the Patient with Peripheral Neuropathy.
江藤 文夫
1
Fumio Eto
1
1東大病院リハビリテーション部
1Central Rehabilitation Service, University of Tokyo Hospital.
キーワード:
ニューロパチー
,
副腎皮質ステロイド
,
ギラン・バレー症候群
,
リハビリテーション
Keyword:
ニューロパチー
,
副腎皮質ステロイド
,
ギラン・バレー症候群
,
リハビリテーション
pp.901-907
発行日 1988年11月10日
Published Date 1988/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105954
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はじめに
末梢神経とは運動系については前角細胞が脊髄内にあり,感覚系については後根神経節から近位部は脊髄外にあっても中枢と考えるべきであり,かなり人為的な言い方である.脳神経,脊髄根,後根神経節,末梢神経幹とその末梢分枝,末梢自律神経からなり,これらが侵されると末梢神経障害である.分類法は複数存在するが原因疾患や成因を中心に病理所見を組み合わせた分類を表1に示した.
原因としては外傷によるものが多いが,中枢と末梢との結合部ではシュワン細胞が急にグリア組織におきかわり,障害を受けやすいため内科疾患の数だけニューロパチーがあると言われる程多彩である.一般に原因不明のものも多い.外科的治療の対象となるものは,後療法としての理学療法が当然として含まれてきたことから,リハビリテーションに関する文献も多いが,内科的治療の対象となるものには,急性期のみならず慢性的医学的管理を要する場合が稀でなく,今後の問題とされることが多い.リハビリテーションの対象は疾患ではなく障害をもった人間であるが,その障害の中核は疾患に由来するものであることから,疾患の管理にも留意しながら,リハビリテーション・プログラムを進めねばならぬ場合が多い.特に内科的疾患では薬物療法と並行して,開始されることが多いので,末梢神経疾患の薬物療法についても知っておくべきである.疾患レベルでの治療管理が重要な領域が多いことから,これら末梢神経疾患の薬物療法にも触れ,次いでリハビリテーションの原則的事項を中心に論じる.
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