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Key Questions
Q1:それぞれの生活行為申し送り表の特性とは?
Q2:実践での活用方法は?
Q3:切れ目のない作業療法を実践するには?
はじめに
2015年度(平成27年度)介護報酬改定における通所リハビリテーション(以下,通所リハ)関連加算において,リハビリテーションマネジメントの重要性が謳われた.このリハビリテーションマネジメントは,調査(Survey),計画(Plan),実行(Do),評価(Check),改善(Action)という,SPDCAサイクルの構築を通じて,心身機能・活動・参加の各側面に,バランスよくアプローチできているかを継続的に管理し,質の高いリハを提供する目的をもつ.われわれOTは,ここに責任をもってかかわることが求められている.
利用者一人ひとりが抱える生活課題を解決・改善していくには,当然のことながら,単一職種・単一事業所だけの力では困難である.合意目標の達成に向けて,本人が主体的に取り組めるよう,多職種,多事業所はもとより,家族・友人,町内の商店街等,インフォーマルな資源を含めて,取り巻く支援者が一体となった効果的な支援体制をつくることが必要である.言い換えると,取り巻く支援者が“合意目標の共同体”となるような体制づくりといえるのではないだろうか.各職種・各事業所が,それぞれの役割を理解したうえで実践を進めていくこの体制は,決して自然発生的に生まれるものではない.そのために,マネジメントという手法が駆使される.
通所リハの実務に置き換えると,介護支援専門員(以下,CM)が行う全体的なマネジメントに対して,OTもSPDCAサイクルとマネジメントの視点をもちながら,OTの専門性を活かした「見立て」と「手立て」を示し,支援体制の全体に貢献していくことが求められる.この貢献のために開発されたシートが「生活行為申し送り表」であり,マネジメントプロセスの一環として活用されるものであるが,残念ながら,筆者らの実務ではほとんどいただいたことはない.よって,本稿では,活用のきっかけとなることを期待し,前半は,生活行為申し送り表の意味と利点の解説を,後半は,実際の活用例について紹介させていただく.
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