50巻記念企画
生活支援における作業療法のこの10年+
川本 愛一郎
1
Aiichiro Kawamoto
1
1有限会社リハシップ あい
pp.666-672
発行日 2016年7月15日
Published Date 2016/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200621
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はじめに
筆者がOTになって32年が経過した.現在,有限会社の形態で鹿児島県において通所介護(デイサービス.以下,デイ),訪問看護ステーション,発達支援事業等を運営している.地域でリハの受け皿を創りたいとの想いから,一念発起して20年以上にわたる病院勤務に終止符を打ち,2004年(平成16年)に起業した.そして12年が経った.
当社の理念「あなたを愛で支えます.地域でリハ理念を実現します」を合言葉に,スタッフ総数86名,うちリハ職,OT 17名,PT 4名,ST 3名等,全12職種の専門職チームで,微力ながら地域を支えている(表1).
今回,編集部から「創刊50周年記念企画として,生活支援分野の直近の10年を振り返り今後の作業療法を展望する手がかりとしたい.キーワードは,構造の変化,予防と維持,場の変化(民間の力),生活行為向上マネジメント,在宅,難病,訪問リハ,地域包括支援センター,起業等である」と依頼があった.
本稿では,生活支援分野における直近10年のOTの動向に大きく関与したと思われる「国や社会の動き」と「日本作業療法士協会(以下,OT協会)の動き」,筆者の「起業」について,時系列的に俯瞰し,地域で生活支援を行うOT(以下,地域OT)の現状の考察と将来の可能性等について論述する.
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