特集 脳機能障害と作業療法—高次脳機能障害に焦点を当てて
扉
千島 亮
1
,
江藤 文夫
2
,
山本 伸一
3
1名古屋大学大学院医学系研究科
2国立障害者リハビリテーションセンター
3山梨リハビリテーション病院
pp.515
発行日 2016年6月15日
Published Date 2016/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200584
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特集にあたって
「高次脳機能障害」にかかわる作業療法実践では,現在,膨大な既知の大脳損傷例から責任病巣を評価・確定し,ヒトの認知障害全般を理解した臨床実践が展開されています.また,OTには急性発症時期から介入し,対象者の意識水準の変動を詳しく把握しながら,総合的な「脳機能障害」に対する作業療法プログラムを実践することも期待されているものと思われます.しかし一方で,医学的生命維持の支援から脱して現実の生活が始動したにもかかわらず,依然として高次脳機能障害を克服できずに,家族協力のもとでさまざまな生活・社会的困難と対峙せねばならない方も大勢いる現状も否めません.
今回の本誌特集は,「脳機能障害」によってもたらされる「高次脳機能障害」について,OTが臨床実践でかかわることの多い半側空間無視,運動失行,前頭葉症状,失語症について,生活支援の視点から専門家の先生方より執筆いただきました.また,初論では最新のヒトの脳機能について,OTが理解しておかなければならない知見と,病態把握にかかわる脳機能の可視化技術を専門の先生方にわかりやすく解説していただきました.
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