特集Ⅰ 作業療法と脳科学Part 2―①身体障害領域
扉
千島 亮
1
,
江藤 文夫
2
,
山本 伸一
3
1信州大学
2元・国立障害者リハビリテーションセンター
3山梨リハビリテーション病院
pp.491
発行日 2013年6月15日
Published Date 2013/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100134
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21世紀は脳の時代と予想された通りに,今世紀に入って脳科学は一段と知見を拡大し続けている.「自然の究極の秘密は人間には謎である」という事実への挑戦を現代の脳科学に感じさせる.とはいえ,わからないことのほうがはるかに多いことを自覚したうえで,最新の知識に触れて,日常の作業療法実践に役立てていただきたい.第45巻の増刊号に続いて,今年は3号にわたって特集が企画されている.その第一は身体機能の領域である.
「私は手を伸ばしてテーブルの上にあるリンゴをとる」ことを説明するための運動と姿勢の制御は,感覚と呼ばれる求心情報処理を含めて解明されつつある.一方,「テーブルの上のバナナではなく,何故リンゴをとることを決断したのか」は別の研究者の課題として取り組まれていることから,日常業務を向上させるために役立つ情報量の多種多様多量に愕然とする.学術用語も研究者仲間ごとに若干ニュアンスが異なることもあり,これもヒトの行動に関わる脳の不思議と考えると,興味が増すかもしれない.
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