提言
私の「活動」と「参加」とは?
長倉 寿子
1
Hisako Nagakura
1
1関西総合リハビリテーション専門学校
pp.4-5
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200448
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もう20年以上も前になる話であるが,「働く女性」に関する研究でインタビューを受けたことがある.「女性が仕事を続ける意味」,「仕事と家庭の両立について」等の質問に納得した返答ができず,OTの仕事に魅力を感じながら働いているのにうまく伝えられずに悔しかったことを思い出す.当時は自分に「働くことの意味や目的」について問いかけるゆとりもなかった.また,他人から期待されている役割を果たすことに悩み,目標を失いかけたこともあった.しかし,OTの仕事を通じて広がる世界が楽しく,多くのOTや対象者,関係者の方々との出会いが刺激となる.一つの仕事が片づいていく等,何かしら節目を迎えたときの充実感が心地よく,現在まで働き続けている.
与えられた機会に役割を見いだし,自ら労して創造する喜びを知る.多少の苦難があっても,人はどのようなところからも学べるのだと思う.自分の生きる場があるということは非常にありがたいことだ.どのようなOTの仕事や生き方を選択するかは自分次第である.目の前のことをこなすことで精いっぱいであったころから,ある程度人生を考えられる年齢となり,使命も変わってきている.後進の育成にかかわることが多くなった現在の自身の活動と参加から未来に向けた希望を書いてみたい.
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