特別記事
クルド難民救援活動に参加して
四野見 みゆき
1
1石巻赤十字病院
pp.1012-1017
発行日 1991年11月25日
Published Date 1991/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900454
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はじめに
1990(平成2)年8月2日,イラク軍のクウェート侵攻に端を発した湾岸戦争は1991(平成3)年2月27日に終結し,大量のクルド人が隣国のイラン,トルコに流入した。この難民救援活動に関し赤十字国際委員会(別表)は,各国赤十字社に対し,緊急に医療班の出動を要請した。この要請を受けて,日本赤十字社は,内科医師1名,小児科医師1名,看護婦1名,助産婦1名からなる医療班をイランに派遣することを決定した。この医療班の一員として,1991(平成3)年4月22日から7月8日までの約2か月半にわたり,イラン北部にある難民キャンプで,助産婦として活動する機会を得た。
イスラム社会という,日本とはまったく異なった環境の中での医療活動は,私自身にとって国際救援活動,助産婦業務について考える上で貴重な体験であった。ここに,その活動内容を紹介し,私自身が感じたこと,考えたことの一端をまとめてみたいと思う。
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