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特集 認知症の方を地域で支える
認知症の方を支援するための多職種連携—認知症の方への早期支援を通して
Interprofessional Collaboration for supporting people with dementia:early intervention for clients with cognitive impairment
中野 輝美
1
,
長倉 寿子
2
Terumi Nakano
1
,
Hisako Nagakura
2
1兵庫県淡路市健康福祉部 地域福祉課
2関西総合リハビリテーション専門学校
pp.132-137
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200480
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Key Questions
Q1:認知症者に早期に介入する意味とは?
Q2:地域で暮らす認知症者に対するOTの役割とは?
Q3:多職種連携におけるOTの役割とは?
はじめに
淡路市は,2005年(平成17年)4月に兵庫県淡路島北部の旧5町の合併により誕生した市で,今年度合併10周年を迎えた.人口は4万6,142人で,合併からすでに5,000人以上減少している.また,高齢化率は34.6%と,非常に過疎・高齢化が進んだ市である〔2015年(平成27年)3月末現在〕.さらに,核家族化の進行に伴い,家庭内に支援者が得られない高齢者のみの世帯や独居高齢者世帯が増加している.
市の要介護認定者数は,高齢者人口の増加に伴い年々増加している.特に新規の要介護認定者の主治医意見書によると,認知症を原因疾患として介護申請する者がこの数年100人前後に上っており(図1),認知症対策は重要課題の1つとなっている.
市では,認知症が早期に適切な支援体制を構築することによって進行を遅らせる可能性があることを踏まえ,2012年度(平成24年度)から「認知症早期介入支援事業」を開始した.生活障害の分析を行うOTとの協働により,対象者のもつ可能性を引き出し,残された能力を活かす支援体制を構築することが,QOLの高い支援につながると考え,OTとの同伴訪問を行うこととした.ここでは,市の早期介入支援事業を通して得られたOTの役割および関係職種の連携について報告する.
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