Japanese
English
◆総説
ライフ・ステージと活動—発達の側面から
Life Stage and Activity : From a Development Viewpoint
浜田 寿美男
1
Sumio Hamada
1
1花園大学文学部社会福祉学科
1Hanazono College
pp.285-290
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
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生きるということは,生きて活動するということにほかなりません.人はこの世に生み出されてから死ぬまでの数十年のあいだ,何らかの活動を繰り返し,活動を積み上げて,そこにいわば一つの〈生の物語〉を織り上げていきます.この生の物語を織物にたとえるならば,活動はそのひとつひとつの織り目です.それ次第で,織物の上に浮かび上がる織り模様は,彩り豊かなものにも,単調で貧しいものにもなります.そして私たちが求めているのは,なによりこの〈物語〉の豊かさであるはずです.
そんなことは,大仰な比喩を借りて言わなくても,当然のことじゃないかと言われそうです.しかし,どうもこのごろ,このあたりまえのことがあたりまえでなくなっているような気がしてなりません,今日,私たちはなにかしら,このごく当然の〈生の物語性〉を失いつつあるように思えるのです.さらに言えば,物語性の基盤をなす〈活動〉がその意味内容を変質させてきているのではないかと思えてならないのです.
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