増刊号 認知症と作業療法
第2章 時期(重症度)別にみる認知症の作業療法の実際
1 時期(重症度)別にみる認知症の作業療法
小川 敬之
1
Noriyuki Ogawa
1
1九州保健福祉大学
pp.642-648
発行日 2015年6月20日
Published Date 2015/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200269
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はじめに
2012年(平成24年)の国立社会保障・人口問題研究所の調査1)によると,日本の将来推計人口は約50年後(2065年)には8,400万人を割り,高齢化率は39.7%と推計,高齢者を支える生産世代の割合が大幅に減少すると予測している(中位推計).高齢化率と強い相関がある認知症問題への取り組みは,介護の問題も含め,今後の日本の保健・医療・福祉の先行きを左右する最重要課題だといえる.
2015年(平成27年)1月に提示された「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」2)は,認知症の理解を一般市民にも広めていく啓発と予防,認知症ご本人の声をしっかりと受け止め,一方的な医療や福祉サービスの提供にならないこと,さらに認知症の容態に応じた医療・福祉の介入(認知症の進行度に応じた介入)とリハモデルの開発,成果・普及が示され,特に容態(重症度)に応じた生活支援やリハの提供に関しては,今後作業療法の分野において精力的に取り組んでいかなければならない事項である.
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