増刊号 認知症と作業療法
第2章 時期(重症度)別にみる認知症の作業療法の実際
7 —在宅期②—通所リハ(重度認知症デイケア)での支援—回想法の取り組みと地域作業療法
甲斐 晶子
1
,
細見 潤
1
,
松田 ヒトミ
1
,
小川 敬之
2
Akiko Kai
1
,
Jun Hosomi
1
,
Hitomi Matsuda
1
,
Noriyuki Ogawa
2
1医療法人ハートピア 細見クリニック
2九州保健福祉大学
pp.680-684
発行日 2015年6月20日
Published Date 2015/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200275
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はじめに
わが国は超高齢社会であり,厚生労働省の調査等で要介護高齢者や認知症高齢者の増加が推計として出され,団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて「地域包括ケアシステムの構築」等はよく耳にすることである.このような中,病院や施設ケア中心政策から,より質の高い在宅生活の獲得を目指す政策へと移行しつつあり,地域においてさまざまな専門職種の連携が必要となっている.OTの果たす役割も注目されている中,認知症の分野においても,ますます力を発揮しなければならない.認知症高齢者の在宅支援の一つである細見クリニック(以下,当院)重度認知症デイケア(以下,デイケア)においても,常に自分たちは何ができるか考えながら動き出す必要がある.当デイケアでは認知症ケアの理念であるパーソン・センタード・ケアを基本にしながら,回想法を意識した取り組みを行っており,また地域の社会資源を活用することも意識している.以下にその取り組みと在宅サービスの一端を担う通所リハにおけるOTの役割について若干の考察を交えて紹介する.
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