増刊号 認知症と作業療法
第1章 認知症とは
6 —認知症の診断と治療②—特に若年性認知症(EOD)に注目して
朝田 隆
1
Takashi Asada
1
1東京医科歯科大学医学部
pp.582-587
発行日 2015年6月20日
Published Date 2015/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200258
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
よく用いられる若年性認知症(early onset dementia:EOD)とは通称である.正式には18歳以降44歳までに発症する認知症を若年期認知症と呼び,45歳以降64歳で発症するものを初老期認知症と呼ぶ1).なお発症年齢の上限については,60歳とする場合と65歳をとる場合とがある.
次に認知症とは認知機能の障害ゆえに生活が自立できなくなった状態を指す.したがって認知症をきたす疾患には数多くのものがある.その中で最も有名なものがアルツハイマー病(Alzheimer's disease:AD)である.EODとして世界的にみると,ADが最も多い原因疾患として報告されてきた.しかし,わが国の全国調査では血管性認知症(vascular dementia:VaD)がADよりも多いと報告されている2).
このようなEODについて,その診断法と治療法を以下に述べていく.
Copyright © 2015, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.