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特集 最期までその方らしく生きることへの支援
在宅における終末期作業療法の実践
Occupational therapy and End-of-life care at home
坂口 聡子
1
,
岩野 歩
1
Satoko Sakaguchi
1
,
Ayumu Iwano
1
1コールメディカルクリニック福岡
pp.297-302
発行日 2015年4月15日
Published Date 2015/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200179
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Key Questions
Q1:終末期における訪問作業療法の実際は?
Q2:在宅での終末期作業療法とは?
Q3:終末期における訪問作業療法の課題は?
はじめに
現在,国は,団塊世代が75歳以上の後期高齢者になるといわれる2025年に向け,「医療機関完結型医療」から「地域完結型医療」への地域移行を目指し,看取りまでを支える在宅医療・介護の普及を積極的に推進している.
この動向は,主に1992年(平成4年)に訪問診療の概念が登場して以降,制度改正を経ながら枠組みづくりが進められており,2000年(平成12年)には介護を社会全体で支える仕組みとして介護保険制度が創設,2006年(平成18年)改正では,がん末期もその対象疾患に入った.また同年,在宅療養支援診療所(以下,在支診)も診療報酬上に位置づけられ,その後,機能強化型在宅療養支援診療所(以下,強化型在支診)が登場する等,医療リスクの高い重症患者や重度の要介護者でも最期まで在宅療養を継続していける環境が整えられてきている.これは,住み慣れた地域で生活をしていきたいと望む国民の要望とも合致しており,今後ますます在宅医療・介護の社会的役割・期待は高まっていくものと考えられる.
居宅を訪問する訪問リハにおいても,こうした流れを受け,関連学会誌や学術集会等で終末期リハへの関心は高まっているように見受けられる.人生の締めくくりとなる終末期で,われわれOTに何ができるのだろうか.本稿では,筆者が担当した方々への支援の実践を通じて,在宅における終末期作業療法について考えていきたい.
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