特集 おしゃれを楽しむことを支える作業療法
扉
井上 志保
1
,
江藤 文夫
2
,
香山 明美
3
1訪問看護ステーションにしこう
2国立障害者リハビリテーションセンター
3宮城県立精神医療センター
pp.1195
発行日 2014年11月15日
Published Date 2014/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200040
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
特集にあたって
私たちOTは,患者さん,利用者さんと接するうえで,身体機能面だけでなく,QOLやその方らしさ,生きがい等も日々考慮している.しかし,病院や施設,在宅サービス等,環境によって,OT自身の視点が偏ってしまうことも,実際の現場では起こり得る.筆者は病院勤務を経て,デイケアに務め,現在は訪問看護ステーションのOTとして働いている.それぞれの環境で対象者に適したリハを提供してきたつもりであるが,今,振り返るとどこか障害にとらわれがちになってしまっていたと思う.最近は,OTとして障害にとらわれ過ぎず,「人として,その方の人生の一部にかかわらせてもらっている」という意識をもって接していきたいと感じている.
今回の特集はとてもOTらしいテーマである.おしゃれを楽しむことで得られる変化や,衣服・装いを支援する意味,化粧による支援,実際に行われた国立障害者リハビリテーションセンターでのファッションショーについてや,雑誌の表紙モデルに起用された患者さんのコラム等も紹介されており,OTとしての視点を広げるにはピッタリの内容となった.今回の特集を読んでくださった皆さんが,今後,おしゃれという視点を1つ増やし,目の前の一人ひとりに接していくことで,新たなきっかけが生まれれば幸いである.
Copyright © 2014, "MIWA-SHOTEN Ltd.," All rights reserved.