特集 認知症の人に対する新時代の作業療法
扉
松下 太
1
,
江藤 文夫
2
,
香山 明美
3
1森ノ宮医療大学
2国立障害者リハビリテーションセンター
3東北文化学園大学
pp.1319
発行日 2023年11月15日
Published Date 2023/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203595
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特集にあたって
2023年(令和5年)6月に成立した「認知症基本法(共生社会の実現を推進するための認知症基本法)」は,認知症の人が尊厳を保持しつつ希望をもって暮らせるという,人権重視の新しい認知症観を導く法律である.認知症の人が尊厳を保持しつつ希望をもって暮らしていくためにも,OTには,認知症の人に残された能力をしっかりと見極め,その能力を引き出し,そして最大限に活かしながら本人が望む社会生活を継続できるような支援が求められる.
本特集は,認知症の人に対する作業療法で先駆的な研究や実践をされている5名のOTの方々からの提案を基に,新時代の認知症の人に対する作業療法を考える機会を提供したいと企画したものである.具体的には,予防領域で注目されるMCIのスクリーニング評価について田丸氏に紹介いただき,村島氏には認知症初期集中支援チームにおけるコロナ禍での支援の実際と今後のあり方を執筆いただいた.小川氏には活動の質の評価であるA-QOAを紹介いただくとともに,認知症の人の活動の質を高めるための方略について,田平氏には認知症の人の暮らしに焦点を当てていただき,デジタル対策やPADA-Dを用いたADL評価やADL支援について,田中氏には重度認知症の人への介入とQOLをどう捉えるかについて執筆いただいた.
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