増刊号 脳卒中の作業療法―支援技術から他職種連携・制度の利用まで
第3章 支援技術Ⅱ 急性期から回復期の個別性を重視した介入(事例報告)
4 脳卒中の最新リハ ①IVES
阿部 薫
1
Kaoru Abe
1
1慶應義塾大学病院
pp.692-695
発行日 2014年6月20日
Published Date 2014/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100561
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はじめに
近年の神経科学の進歩に伴い,ニューロリハの発展は目覚ましい.特に,片麻痺上肢の機能障害に対しては,脳における可塑性の存在が示され,新たな神経科学の知見に基づいたさまざまなリハアプローチが開発・報告されるようになっている.従来の運動療法に加え,CI療法(constraint-induced movement therapy)や治療的電気刺激(therapeutic electrical stimulation:TES),反復頭蓋磁気刺激(rTMS)や経頭蓋直流電気刺激(tDCS),ボツリヌス治療等,さまざまなアプローチが知られるようになっている.セラピストは,多くの選択肢の中で,おのおのの適応と効果を理解し,医師や対象者本人と共に,チームとして効果の追求に臨むことが求められる.
介助型電気刺激装置(integrated volitional controlled electrical stimulator:IVES)は,村岡ら1)により開発された,随意運動をトリガーとして麻痺肢に電気刺激を加えることができる携帯型電気刺激装置である.本稿ではIVESを用いた片麻痺上肢の機能障害に対するアプローチについて詳説し,さらに,片麻痺上肢に対する他のニューロリハについても述べる.
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