Japanese
English
ナースのためのリハビリテーション講座
3.高次脳機能障害のみかたと看護―失行・失認を中心に
High Cortical Dysfunction and Nursing Care.
小仲 良平
1
,
境 敦史
1
,
石神 重信
1
Ryohei Konaka
1
,
Atsushi Sakai
1
,
Shigenobu Ishigami
1
1防衛医科大学校リハビリテーション部
1Department of Physical Medicine and Rehabilitation, National Defense Medical College
キーワード:
失行・失認
,
半側無視
,
リハビリテーション看護
Keyword:
失行・失認
,
半側無視
,
リハビリテーション看護
pp.261-265
発行日 1998年3月10日
Published Date 1998/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108617
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はじめに
脳卒中の早期リハビリテーションの必要性が強調されてきたが,なかなか普及していない現状にある.早期リハビリテーションの目標は,運動麻痺の回復にあるのではなく,セルフケアの自立にあるのだが,「リハビリテーションは訓練室での運動訓練」といった短絡的な誤解が,看護婦サイドにあるのは残念なことである.早期リハビリテーションは,ベッドサイドでのADL訓練を中心に展開するが,この時期で高次脳機能障害が,ADLの大きな支障となることはあまり知られていない.ここでは,高次脳機能障害の概要に触れ,患者の診かたと看護からのアプローチに焦点を絞って述べてみたい.
高次脳機能は,大脳皮質のはたらきである思考・言語・行動・記憶など知的機能全般をいう.脳血管障害や頭部外傷などで大脳皮質に損傷が生じると,損傷部位に応じていろいろな障害(巣症状)が出現してくる.リハビリテーションで対象となる高次脳機能障害には,痴呆,失語,失行や失認など多くの障害が含まれるが,ここでは,失行,失認を中心に述べる.
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