増刊号 脳卒中の作業療法―支援技術から他職種連携・制度の利用まで
第1章 総論
1 脳卒中とは
宮井 一郎
1,2
Ichiro Miyai
1,2
1社会医療法人大道会
2森之宮病院
pp.536-543
発行日 2014年6月20日
Published Date 2014/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100531
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
脳卒中は脳血管の閉塞または破綻により,脳血流低下が起こり,神経細胞が障害される疾患である.原因により,①脳梗塞(閉塞),②脳出血(破綻),③くも膜下出血(脳動脈瘤破裂),④一過性脳虚血発作〔TIA(transient ischemic attack):短時間の血流低下〕の4つに分類される.脳卒中は日本人の死因としては,2011年(平成23年)に肺炎に次いで第4位となったが,高齢者の要介護状態の主要な原因疾患である.「平成19年 国民生活基礎調査の概況」1)によると,介護保険における要支援者の原因疾患は「関節疾患」が20.2%,「高齢による衰弱」が16.6%の順であるが,要介護者では「脳血管疾患(脳卒中)」が27.3%,「認知症」が18.7%となっている.このような脳卒中の社会的インパクトを軽減するためには,発症予防(危険因子の治療),発症後の早期治療,リハ,再発予防が重要である.ここでは本誌の性格上,発症予防については割愛する.
Copyright © 2014, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.