Japanese
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教育講座
脊髄小脳変性症のニューロリハビリテーション治療
Neurorehabilitation Therapy for Spinocerebellar Degeneration
藤本 宏明
1
,
宮井 一郎
1
Hiroaki Fujimoto
1
,
Ichiro Miyai
1
1森之宮病院神経リハビリテーション研究部
キーワード:
脊髄小脳変性症
,
運動失調
,
運動学習
,
Goal Attainment Scale
,
neuromodulation
Keyword:
脊髄小脳変性症
,
運動失調
,
運動学習
,
Goal Attainment Scale
,
neuromodulation
pp.536-543
発行日 2021年5月18日
Published Date 2021/5/18
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- 参考文献 Reference
はじめに
脳損傷後の運動機能回復は,麻痺肢を使用することで生じる脳の可塑性(use-dependent plasticity)に依存しており,脳活動変化がリハビリテーション治療の結果として生じているならば,use-dependent plasticityを促進するための原則として,課題指向型の練習量を確保することが必要である.また,脳の可塑性を誘導するには,単なる麻痺肢使用だけでなく,運動学習が重要である.運動学習には運動順序学習(motor sequence learning)と適応学習(adaptation)があり,前者には運動遂行能力の向上やADL動作の獲得,後者には環境変化に対する代償能力向上がある.ともに運動学習の過程として,早い学習期,ゆっくりした学習期を経て学習保持に至る.運動順序が固定化された後に自動化され,最終的に身体で覚えることになるが,これらには大脳基底核や小脳が関連し,適応学習の中心が小脳と考えられている1).
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