特集 作業療法における作品づくりの意味
扉
宮崎 明美
1
,
中村 春基
2
1児童発達支援センター みどり学園
2兵庫県立リハビリテーション中央病院
pp.109
発行日 2013年2月15日
Published Date 2013/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100030
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わが国で作業療法がはじまったころ,作業療法室には機織り機があり,ろくろがあり,ADL室と同じくらいの存在感をもっていた.近年,入院期間が短縮されたり,いろいろな治療アプローチが展開される中で,木工,陶芸,手工芸,絵画等のactivityを使った作業療法の影が薄くなってきているように感じる.作業療法の実際は,身体機能や精神機能の回復・発達,生活能力の獲得,社会参加等々,幅も広ければ奥行きも深い.
“作業療法士は諸活動を通して(または使って),障害がある人の治療・支援をしていく……”というような文言に関心をもって作業療法の門をくぐった人も多いと思う.今回の特集では原点にもどって「作業療法における作品づくりの意味」を取り上げた.障害が重くてもこんなに作品づくりを楽しめる.高齢になってもこんな形で社会とつながっていられる.創作活動は,自分自身の存在意義を確認し,他者とのつながりをもつくっていく.その意味は深い.今回の報告を通して,あらためて,「作品づくりの意味」を考えさせられた.これをきっかけに日本中で,また作品づくりが広がるとうれしい.
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