小児外科における内視鏡下手術のトレーニング

はじめに

　小児外科領域では成人外科に数年遅れて1990年代初頭に内視鏡下手術の導入がはじまり，現在では非常に多くの疾患に対してその適応が拡大されつつある^1）．しかしながら，成人外科における腹腔鏡下胆嚢摘出術のような内視鏡下手術の技術の習得に適した手術が存在しないため，小児への内視鏡下手術のトレーニングにはどの施設も難渋しているのが現状である．

　本稿では，小児領域におけるトレーニング法の概略を述べるとともに，当センターで実施している肥厚性幽門狭窄症に対する幽門筋切開術を例に挙げて，その技術習得の実際を述べる．