特集 各科における内視鏡下手術のトレーニング
呼吸器外科における内視鏡下手術のトレーニング
白日 高歩
1
,
岩崎 昭憲
1
,
川原 克信
2
1福岡大学医学部第2外科
2大分大学医学部第2外科
キーワード:
呼吸器外科
,
トレーニング
,
技術認定制度
Keyword:
呼吸器外科
,
トレーニング
,
技術認定制度
pp.271-274
発行日 2004年6月15日
Published Date 2004/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900495
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胸腔鏡下手術におけるトレーニングの現状
現在,胸腔鏡下手術が応用されている疾患は早期末梢型肺癌,肺良性腫瘤,横隔・胸壁腫瘍,自然気胸,巨大肺嚢胞,その他と多岐にわたる.これらの手術において胸腔鏡を持ちカメラワークを学ぶことが胸腔鏡下手術の第一歩となっている.術者にとってつねにビデオ上の映像が正確に手術遂行の助けとなるよう,適切な位置に胸腔鏡を移動させる必要がある.このカメラワークに慣れてくると,実際にポート孔を設置する操作を覚える必要がでてくる.粗暴な操作では肺損傷をきたすおそれがあるので,必ず肺と胸壁の癒着がないことを確認しなければならない.また,病変の位置によってどの部位にポート孔を設置するか,この点も先輩医師のアドバイスが必要である.肺癌を対象とした胸腔鏡下手術ではミニ開胸を利用しての直視下手術が行われることが多く,その場合はむしろ胸腔鏡は局所の照明用として補助的に利用されている.
胸腔鏡下手術の術者としてのスタートは,自然気胸を対象としたブラ切除術(bullectomy)が最適と考えられる.この手術において,ポート部位の設置,病変の把持法,staplerの掛け方などを具体的に体験していく.ブラ切除術後のエアリークの有無を確認するためのwater sealing testでは,肺のinflationやdeflationを行うにあたって麻酔医との十分な意思伝達の重要性を覚えていく.
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