特集 各科における内視鏡下手術のトレーニング
一般・消化器外科(advanced procedures)における内視鏡下手術のトレーニング
森 俊幸
1
,
正木 忠彦
1
,
杉山 政則
1
,
跡見 裕
1
1杏林大学医学部第1外科
キーワード:
トレーニング
,
advanced procedure
Keyword:
トレーニング
,
advanced procedure
pp.267-270
発行日 2004年6月15日
Published Date 2004/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900494
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はじめに
1990年代には内視鏡下手術に使用する多くの機器が開発され,各種の手術テクニックも発案された.症例の集積や外科医のテクニックの修練のみならず,ほかの医療スタッフの内視鏡下手術における習熟や機器の開発の結果,内視鏡下手術で施行が不可能な手術はほとんどない状況となった.これらの術式のうち,逆流性食道炎に対するNissen手術や,早期大腸癌に対する腹腔鏡補助下大腸切除などは標準術式ともされるようになった1,2).
腹腔鏡下胆嚢摘出術が導入された当初は,術者が1本の鉗子操作のみで行う片手法が推奨されたが,経験症例の増加に伴い,通常の開腹手術と同様に両手に鉗子を持ち,両手の協調動作によって手術を進められるようになった3).すなわち,左手で持つ鉗子によって,術野の展開やcounter tractionの付与を行い,右手の鉗子で?離,クリッピング,切離などを行うことが可能となった.Advanced laparoscopic surgeryには明確な定義はないが,こういった両手の協調操作が必要となる術式,すなわち広範囲な?離を要する消化管手術,実質臓器切除や内視鏡下縫合結紮術が必要となる術式がこれに相当する.
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