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編集後記
北野 正剛
pp.284
発行日 2003年6月15日
Published Date 2003/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900419
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本号の特集は,内視鏡外科の新たな展開として登場した内視鏡下甲状腺・副甲状腺手術で,空間のないところに術野を作製し,内視鏡観察下に細かな操作を行う手術に関するものである.内視鏡外科が腹腔鏡下胆嚢摘出術で開始された当初,炭酸ガスによる皮下気腫は合併症として恐れられたものであるが,今では意図的に作製されるまでになった.本領域の発展と普及には目を見張るものがある.
内視鏡外科の歴史のなかで忘れてはならないものの1つとして,東西ドイツ統一前の1988年にベルリンで行われた,記念すべき第1回世界内視鏡外科学会がある.ケルンのトロイデル教授の主催で,世界各国から内視鏡外科医が集った.とは言っても,その当時はフレキシブル内視鏡で,内視鏡診断や内視鏡治療が主であった演題数も300ほどであったと記憶している.そのなかで,わずかにセム教授が腹腔鏡下に“のぞき”ながら行う結紮手技や虫垂切除などを報告した.筆者もその講演に居合わせたが,なにやら難しそうな手技で,とても自らこれらに携わることになろうとは夢にだに思わなかった.ところがである.
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