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編集後記
北野 正剛
pp.390
発行日 2002年8月15日
Published Date 2002/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900342
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先頃聞いた話である.癌で手術を受け,3年ほどして再発のため、いよいよ自宅療養が難しくなり再入院した方がいる.主治医はもちろん長くこの方とつき合っていて,気心が知れていたという.自宅での闘病を希望していたので,その希望を聞いて外来でも点滴などでなるべく便宜をはかっていた.もうどうしようもなくなっての入院であった.再入院時,主治医は家族にあと数日の命であろう旨を告げた.ところがよほど衰弱していたのであろうか,翌早朝亡くなった.すると驚くなかれ,主治医が呼ばれて,早朝,病院に着いたときには,警察が来ていた.患者の家族にいわせると「あと数日の命といったではないか.急に死んだのは何かミスがあったからに違いない」ということであった.もちろん警察も事情がわかり,すぐに帰ったそうであるが,病院関係者の気持ちを考えると何ともやりきれない気持ちになる.
昨年の大規模無差別テロから世の中が大きく変わった.例えば,米国での航空機搭乗前の手荷物検査である.今し方,小生のたった4cm足らずのメガネドライバーが没収された,凶器になると判断されているのであろう.これも普通には理解できない無差別自爆テロを恐れてのことである.
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