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編集後記
北野 正剛
pp.202
発行日 2001年4月15日
Published Date 2001/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900223
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1986年に打ち上げられた旧ソ連の宇宙船『ミール』が落下しようとしている.15年にわたり宇宙滞在記録を次々に更新し,宇宙医学の進歩に大きく貢献しその役目をまさに今終えようとしている.当時のことを思い返してみよう.パソコンのプログラムはBasicで簡単な統計計算とワープロ機能がついているのみで,大きさもアタッシュケースほどの大きさで5kg以上もあったと記憶している.その後,10年で1,000倍と言われる情報処理速度は世の中の基本構造を大きく変えた.携帯電話にしても鞄ほどの大きさでほとんど誰も持っていなかったものが,今や小学生からお年寄りまで4,000万人が持ち,加入電話数を超えたと報じられている.また,そのうちiモードはすでに2,000万人に達し,昨年3月の500万人から1年で4倍と1日5万人もの爆発的な増加となっている,今,この編集後記をオーストラリア上空でパソコン上にしたためているところであるが,もう数年を経ずして航空機内で必要な情報が得られ,かつ,eメールと言おうか,あるいはg(global)メールとでも呼ばれるのであろうか,とにかく,編集部であれ,どこでも望むところへ画像や動画も一緒に送れるようになることは確かである.
このように加速度的に技術革新が進むなかで,時を同じくして始まった内視鏡外科は,物理的時間は15年程であってもその発展に要した時間は以前の数十倍の長さになるのではないかと思えてくる.
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