特集2 ERスタンダード 脳卒中—ココが皆の困りどころ,気になるところ
扉
山内 素直
1
,
舩越 拓
2
1友愛医療センター 救急科
2東京ベイ・浦安市川医療センター 救命救急センター
pp.661
発行日 2024年11月25日
Published Date 2024/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3105200154
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脳卒中(脳梗塞,脳出血,くも膜下出血)は,救急外来で頻繁に遭遇する救急疾患群である。また,発症そのものが生死に直結するようなくも膜下出血や,脳梗塞に対するrt-PA治療など,その診断と初期対応は一分一秒を争うtime sensitiveなものであり,その対応にプレッシャーを感じている若手救急医も多いことだろう。
すでに脳卒中の診断や治療についてはさまざまなガイドラインや書籍・文献が存在し,ある程度コンセンサスの得られた診断・治療法などが提唱され,現場で働く救急医の助けとなっている。その一方で,画像検査へのアクセスのしやすさや専門医が常駐しているかなどの違いから,今なお病院独自のローカルルールが存在し,大きな施設間ギャップがあるのも事実かと思われる。
そこで本特集では,脳卒中の基本的知識の整理から始まり,病歴や神経所見,その施設での医療資源の条件などをふまえたうえで,より実践的な診断戦略や,救急医に求められる治療方針の判断までの思考過程を詳説する。そうすることで,どのような環境でも,その状況に合わせた最善の方法で,迅速に診断と初期治療を行い,適切なタイミングで専門医へコンサルトするまでの一連の流れを,明確に読者に示したいと考えている。
単なる「答え」を提示するのではなく,脳卒中治療の最前線に立つ若手救急医・救急担当医が,その場の状況に応じて自らの頭で考え,判断できるようになる特集を目指した。
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