特集 自閉症・アスペルガー症候群・LD・ADHD―母子保健事業の課題と期待
扉
pp.259
発行日 2008年4月15日
Published Date 2008/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101290
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近年,自閉症,アスペルガー症候群,LD,ADHDなどの発達障害を持つ人に対する社会的な支援活動が進みつつあります.長年にわたる当事者の皆さんの努力の積み重ねが実を結んで,ここまで至ったと思われます.これらの人々に対する社会的支援活動を発展させていくために,発達障害者支援法が平成16年に成立しました.法的な基盤が確立されたことにより,全国的に支援活動が進められるようになりましたが,まだまだ様々な課題が残されているのも現実です.
厚生労働省が進める母子保健事業,文部科学省が所管する学校教育活動,地域の自治体や人々の対象を中心にすえた支援活動への努力がなければ,さらなる発展につながらないと思われます.具体的には3歳児健診の後,就学前までに健診を行うことが求められています.さらに母子保健事業と学校の特別支援教育と連動させていくことも課題となっています.国レベルにおける厚生労働省,文部科学省の関連部局の間の施策の調和と連携,地域レベルにおける保健,医療,教育,福祉,労働の関係者,関係機関が連携した支援活動が大切です.発達障害者支援法は,施行後3年を経過して進捗状況を見直すことになっています.本年度はその節目の年にあります.
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