特集 研究の普及を支える基盤としての論文執筆
扉
前田 樹海
1
1東京有明医療大学看護学部
pp.102
発行日 2012年4月15日
Published Date 2012/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100629
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「研究する」というフレーズを聞いて,どんなことを思い浮かべるだろうか。多くの場合,「計画を立てて,データ収集し,その収集したデータを分析して新しい知見を生み出す」というふうに考えがちだ。研究の究極的な目標が,新たな知識の創出であることを考慮すれば,悪くない解答のようにも思えるが,実学である看護学にとっては狭義の理解ということを押さえておく必要がある。
そのことを考えるために,看護研究に関する定番教科書のひとつである『Nursing Research : Generating and Assessing Evidence for Nursing Practice』(Polit & Beck, 2011, pp.56-60)をひもといてみる。研究デザインによっても多少違いがあるようだが,看護研究にはいくつかの段階がある。量的研究における段階を例にとると,概念段階(conceptual phase),計画段階(design and planning phase),実施段階(empirical phase),分析段階(analytic phase),そして普及段階(dissemination phase)の5つである。
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