特集2 ERスタンダード ショック—最速介入のための認知力と確かな対応力を身につける
扉
舩越 拓
1
,
佐藤 信宏
2
1東京ベイ・浦安市川医療センター 救急集中治療科 救急外来部門
2新潟市民病院 救急科
pp.83
発行日 2022年11月25日
Published Date 2022/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3105200015
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救急医の重要な役割の1つに蘇生がある。蘇生の対象となる患者は,まさに本特集のテーマ「ショック」の患者が主たるものになる。ショックとは,単に心肺停止やバイタルが悪い患者の状態を指すものではない。また,救急外来におけるショックの患者は原因がはっきりしていないことが多く,不確実な状況下で治療を開始しなければならない。一方で診断を並行して行い,根本治療につなげる必要がある。近年では,介入の時間が患者の予後を決定する分野も増えてきており,ショックの患者に対する迅速で的確な認知と介入は,救急医および当直医にとって非常に重要なスキルとなっている。
本特集では,ショックの概念を生理学的な面から確認することに始まり,続いて救急外来でのショックのカテゴリー診断,カテゴリーごとの患者への対応について詳説する。さらに実臨床で悩ましいピットフォールを補足して,ショックの患者全般に適切に対応できる基礎力を身につけてもらうことを目標にした。各稿が有機的に結びつくことで,他に類を見ない「ショックの標準テキスト」となればと考えている。
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