別冊秋号 オピオイド
PART2 基礎編
24 遺伝子多型とオピオイド
森井 雅子
1,2
,
西澤 大輔
1
,
池田 和隆
1
1東京都医学総合研究所精神行動医学研究分野 依存性物質プロジェクト
2東京歯科大学 歯科麻酔学講座
pp.157-163
発行日 2022年9月15日
Published Date 2022/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200306
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医療用麻薬として用いられているオピオイドの感受性には個人差が大きいことが知られており1),同じ投与量でも,良好な鎮痛効果が得られる患者もいれば,不十分な鎮痛効果のうえに悪心などの副作用を生じる患者もいる。鎮痛効果や副作用の個人差には,環境因子,心理的因子2),そして遺伝的因子も大きく関与している。WHO方式がん疼痛治療法の4原則の一つに「患者ごとに適量を(for the individual)」とあるように,オピオイド感受性の個人差を考慮した適切な量の鎮痛薬の使用が重要視されている。
本稿では,遺伝的要因に着目し,遺伝子によりオピオイドの効果,副作用の予測ができるのかについて述べる。
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