別冊秋号 —麻酔科医なら知っておきたい—血栓症・塞栓症
PART3 動脈性血栓
14 下肢動脈血栓症
保科 克行
1
1東京大学 血管外科
pp.99-103
発行日 2021年9月17日
Published Date 2021/9/17
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200230
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
下肢動脈血栓症は急性と慢性に大別される。前者は短期間に形成された血栓による急性動脈閉塞であり,患者の下肢は急激に壊死に向かって進行し,激痛を伴う。後者は動脈硬化性病変に血栓が増悪因子となる場合であり,側副血行路が形成されていることが多く症状はさまざまである。これらには血栓摘除術,バイパス術,血管内治療などさまざまな治療介入がされる。患者の病態によって治療方法は異なり,診断のタイミングや治療選択によって患者の命運は大きく左右される。「下肢動脈血栓症」という病名がついた患者が手術室に入ってきた時点で何を想定し,どんなポイントをチェックしたらよいのか,本稿がその対応の引き出しを増やす一助となれば幸いである。
Copyright © 2021, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.