別冊秋号 —麻酔科医なら知っておきたい—血栓症・塞栓症
PART1 総論
4 周術期に生じる塞栓症—日本麻酔科学会の肺血栓塞栓症症例調査から
橋場 英二
1
1弘前大学医学部附属病院 集中治療部
pp.21-25
発行日 2021年9月17日
Published Date 2021/9/17
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200219
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周術期は,深部静脈血栓症deep vein thrombosis(DVT),肺血栓塞栓症pulmonary thromboembolism(PTE),いわゆる静脈血栓塞栓症venous thromboembolism(VTE)の危険因子のオンパレードである。高齢者,悪性腫瘍,手術,全身麻酔,長期臥床,四肢・骨盤手術,抗凝固薬の中止など,ちょっと考えればゾロゾロ出てくる。日本麻酔科学会は2002年から周術期死亡の主な原因の一つである症候性肺血栓塞栓症を問題視し,学会所属の認定病院に対して麻酔関連偶発症例・肺塞栓症の調査をしてきた1〜6)。その結果は,日本の肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症の予防ガイドラインにも生かされており7,8),麻酔科医ならば知っておくべき調査結果であろう。
本稿では,その2002年から2017年までの主な統計の結果を紹介する。
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