増刊号 ERAS時代の周術期管理マニュアル
Ⅳ 術中・術後合併症とその管理
3.呼吸器系
肺血栓塞栓症
石田 敬一
1
,
松宮 護郎
1
Keiichi ISHIDA
1
1千葉大学医学部心臓血管外科
pp.277-281
発行日 2014年10月22日
Published Date 2014/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200054
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最近の知見と重要ポイント
□急性肺血栓塞栓症は,術後合併症として頻度は低いものの重症例(心肺停止例)では死亡率が50%以上と高く,初期の診断,適切な治療が重要である.
□造影CT検査,心臓超音波検査により重症度を分類し治療を選択する.
□合成Ⅹa阻害薬フォンダパリヌクス(アリクストラ®)はモニタリングによる容量調節の必要がない抗凝固薬であり,ヘパリンの代わりとして使用される.
□経口新規抗凝固薬(NOAC)の急性肺塞栓症や深部静脈血栓症に対する有効性が報告されており,今後これらの薬剤の導入により確実な効果とともに管理が容易となり,入院期間短縮や出血性合併症の減少につながる可能性がある.
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