今月の主題 内科エマージェンシー
疾患別内科エマージェンシー
肺血栓塞栓症
吉沼 正喜
1
,
山口 徹
1
1東邦大学医学部第3内科(大橋病院)
pp.2168-2170
発行日 1994年10月10日
Published Date 1994/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903010
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ポイント
●急性肺血栓塞栓症の重症例(致死性急性肺塞栓症)では高率にショック,突然死をきたし,死亡率も高く,診断,治療の早さが救命率を左右する.
●高齢者で,脳血管障害および術後で寝たきりの例がハイリスク群であり,高血圧・肥満・糖尿病など動脈硬化と関連した因子を多く持つほどリスクは高い.
●上記ハイリスク例に突然の胸痛,呼吸困難,低酸素血症を認めた場合,また急激にショックになった場合は積極的に本症を疑う.本症が疑われれば全身管理とともに,血栓溶解薬の禁忌がなければ直ちに血栓溶解薬,抗凝固薬を投与する.
●薬物治療に反応しないショック例では,緊急手術も考慮する.
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