別冊秋号 周術期管理
PART3 周術期のリスク評価と検査項目
39 悪性高熱症素因疑い
三好 寛二
1
,
安田 季道
1
,
堤 保夫
1
1広島大学大学院医系科学研究科 麻酔蘇生学
pp.253-260
発行日 2020年9月15日
Published Date 2020/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200180
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悪性高熱症malignant hyperthermia(MH)は全身麻酔の重篤な合併症の一つで,MH素因の保有者が一部の麻酔薬(揮発性吸入麻酔薬や脱分極性筋弛緩薬)に曝露されることで発症する。MHの多くはリアノジン受容体1型ryanodine receptor 1(RYR1)の変異に起因することがわかっているが,発症の機序は不明な点が多い。MHはまれな疾患なので生涯を通して一度も遭遇することがない麻酔科医も多いと考えられるが,早期発見・早期治療が本疾患の予後を左右するため,麻酔を専攻するうえでMHの周術期管理に精通しておく必要がある。
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