Japanese
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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅳ.筋疾患
16.悪性高熱症
Malignant hyperthermia
久保田 雅也
1
KUBOTA Masaya
1
1島田療育センター小児科
pp.551-556
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000610
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はじめに
悪性高熱症(malignant hyperthermia:MH)は揮発性吸入麻酔薬・脱分極性筋弛緩薬の曝露を契機として,全身麻酔中ないし全身麻酔後に発症する緊急事態であり,骨格筋カルシウム調節の薬理遺伝学的障害に基づく骨格筋代謝亢進(酸素消費と二酸化炭素産生増大)により起こる。本症は全身麻酔症例1~2/10万人の頻度で発症する比較的まれな疾患であるが,いったん発症してからの進行は早く,迅速な診断と対処が必要である。米国における調査(2000~2005年)によるとMH2,553人中,小児(18歳未満)は454人(17.8%)であり,小児の死亡率は0.7%と成人(14.1%)よりも有意に低いものであった1)。
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