別冊春号 2020のシェヘラザードたち
第18夜 オレは不潔な麻酔科医がキライだっ!!!—私がinfection control doctorになったワケ
鈴木 昭広
1
1東京慈恵会医科大学 麻酔科学講座
pp.111-116
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200133
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皆さんはinfection control doctor(ICD)という制度をご存じだろうか? 日本麻酔科学会は近年ようやくICD制度協議会の仲間入りを果たし,学会中に関連する講習会が開かれ,ICD資格を取得できるようになった。指定された講義の聴講歴と,院内の感染制御関係の実務経験があれば取得できるお手軽なものであり,正直,資格があったからどうこう,というものでもない。私自身,たまたま要件を満たしたので申請して認められた程度だ。
しかし,取得してみると,有資格者たるもの,その資格にふさわしい振る舞いをせねば,と思うようになった。ややもすると「ま,今回はいっか」とサボりがちな衛生面への配慮。その誘惑に対し,「おいおい,ICDがそんなことしてていいのかぁ〜?」と耳元でささやく天使のように,自分の感染制御に関するプライドを保ち続けるための抑止力になっている。
私は,仕事場で不潔な振る舞いをする麻酔科医が大キライだ。そういう輩が世のすべての麻酔科医の印象をおとしめている。今夜は,麻酔科医の感染に関する考え方に喝を入れ,感染制御に目覚めた麻酔科医が医療に果たせる大いなる可能性について述べたい。
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