別冊春号 2020のシェヘラザードたち
第17夜 本当にあった怖い話〜ペインクリニック編〜
髙雄 由美子
1
1兵庫医科大学病院 ペインクリニック部
pp.105-110
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200132
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私はペインクリニックを生業としている。ペインクリニックで直接患者にかかわり,「痛みが楽になりました!」と感謝されることや,患者が日常生活を取り戻していく姿を目の当たりにすると,自分がささやかながらも社会貢献できているんだな,と感じられる醍醐味がある。その反面,常に合併症とも隣り合わせである。医療にまともに取り組み,症例をこなせばこなすほど,合併症は避けられない。
私もこれまで,大小さまざま数多くの合併症を経験してきた。硬膜外ブロック時のくも膜下注入(いわゆるデュラパン),星状神経節ブロック(SGB*1)時の動脈内局所麻酔薬注入や,肋間神経ブロック時の気胸などなど,思い起こせばいろいろある。今回の企画「2020のシェヘラザ-ドたち」の,シェヘラザ-ドとは『アラビアンナイト(千夜一夜物語)』に登場する物語の語り手の姫の名前だが,私,髙雄姫はこれまでの医者人生で経験した合併症の話をすれば,1001夜は無理としても,大小合わせて50夜くらいはお話できるでしょうか…今夜はそのうちの4夜分を一気にお話ししましょう。
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