別冊秋号 血圧
16 コラム さまざまな動物の血圧
長濱 正太郎
1,2
1一般社団法人 日本動物麻酔科医協会
2岐阜大学応用生物科学部附属動物病院
pp.97-99
発行日 2019年9月14日
Published Date 2019/9/14
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200093
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獣医麻酔科医は希少職種
獣医師は飼育動物(牛・馬・豚・めん羊・山羊・犬・猫・鶏・うずら・その他獣医師が診察を行う必要があるものとして政令で定めるものに限る)の診療を業務として行うことが許されている。その主な社会的役割は,公衆衛生の向上,畜産業の発展,伴侶動物の健康維持などである。獣医師のみが許可されている診療対象動物はそれほど多くはないが,通常はその中からさらに対象動物を絞っていることが多い。牛や豚など産業動物の臨床においては,個体の治療は群管理の一環として行われる。
一方で,犬や猫など伴侶動物は家族の一員であり,人間と同等の治療が求められることも珍しくない。外科治療の成績を上げるためには適切な呼吸・循環管理や疼痛管理を行える麻酔科医が必要であるが,そのことが伴侶動物の外科治療にも当てはまるということに獣医師自身がやっと気づき始めた。伴侶動物の麻酔のみを生業にしている獣医師は日本では数えられるほどしかいないが,徐々に増えていく可能性がある。いずれは能力を認定するような仕組みが必要になるかもしれない。
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