別冊秋号 血圧
5 日常生活のなかの血圧
藤原 健史
1
1自治医科大学内科学講座 循環器内科学部門
pp.31-38
発行日 2019年9月14日
Published Date 2019/9/14
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200082
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日本における高血圧患者は約4300万人と推定されており,高齢化の進行により,今後さらに総人口に占める高血圧患者の割合が高くなると予想される。高血圧は心血管イベント発症に対する最大の危険因子であるため,24時間にわたりパーフェクトに血圧をコントロールすることが心血管イベント発症抑制には重要である。血圧値には診察室血圧と,家庭血圧ならびに自由行動下血圧ambulatory blood pressure(ABP)を含む診察室外血圧があるが,心血管予後の優れた予測因子であることから,『高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)』1)では,診察室外血圧にもとづく高血圧診療が推奨されている。早朝高血圧や夜間高血圧など,評価する時間帯別の血圧平均値の上昇から,血圧は絶えず変動することを特徴としており,その血圧変動性の増大,さらには日常生活動作のなかでは起立性血圧変動異常や食後の一過性血圧低下といった病態まで,診察室外血圧の評価は多岐にわたる。本稿では,これらの日常生活で直面するさまざまな血圧に対するエビデンスを概説する。
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