外科栄養 最近の進歩
腸管免疫と栄養管理
小俣 二郎
1
,
深柄 和彦
,
橋口 陽二郎
,
齋藤 大蔵
,
長谷 和生
,
山本 順司
1防衛医科大学校 外科学講座
キーワード:
Glutamine
,
経腸栄養
,
腸
,
粘膜免疫
,
栄養管理
,
腸関連リンパ系組織
Keyword:
Enteral Nutrition
,
Glutamine
,
Intestines
,
Immunity, Mucosal
,
Nutrition Therapy
pp.1048-1053
発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008337909
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生体の感染防御のためには、腸管免疫を中心とした全身の粘膜免疫の維持が重要である。経静脈栄養管理は、腸管リンパ装置のlymphotoxin β receptor発現および血管内皮のMAdCAM-1発現の低下をきたし、腸管リンパ装置のリンパ球数減少を招く。さらに、腸管のサイトカイン環境の変化も加わり、腸管免疫が低下する。腸管免疫の改善には、経腸栄養の積極的利用が有効である。しかし、経腸栄養の禁忌となる患者も相当数存在し、今後、経静脈栄養管理時にも腸管免疫を維持できる新しい輸液製剤の開発が期待される。
©Nankodo Co., Ltd., 2008